はつ恋 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1952年12月29日発売)
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本棚登録 : 3344
感想 : 308

めちゃめちゃ面白かった。

16歳の少年が、大学入学前のモラトリアム期間に、生涯忘れられない「はつ恋」をする。

相手は別荘の隣に住んでいた年上の令嬢。
その姿をひとめ見たその時から虜になる少年。
しだいに、令嬢と、彼女を崇拝する男たちと交流を持つようになる。
ある日、ふと気づく。
彼女は恋をしている!と―――。

少年の恋をする心の動きが、流麗な文章で鮮やかにつづられていて、あー、そうだよね。そうなるよね。と、思わず共感。
自分で自分が制御できなくなる感じがよく出ていた。

田舎の、のびやかな自然の描写が目に浮かぶよう。

あと、文庫本のうらすじは、書きすぎな気がする。
読む前に読まないほうがいいのかも。

もひとつ、読んだ人しか分からない感想。




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主人公の少年は、彼女が「彼」に馬用の鞭で打たれて恍惚とするのを覗き見て、「これが恋なのだ!」と、確信したみたいなんだけれど、ただ単に彼女は「好きな人にだけドMで、それ以外の人にはドS」ってなだけではないだろうか。

要するに彼と彼女はSM関係だった―――って違うのかな?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 外国の小説
感想投稿日 : 2022年8月12日
読了日 : 2022年8月12日
本棚登録日 : 2022年8月12日

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