こゝろ (角川文庫 な 1-10)

著者 :
  • KADOKAWA (2004年5月10日発売)
3.94
  • (800)
  • (646)
  • (797)
  • (55)
  • (11)
本棚登録 : 8493
感想 : 657
5

2023年の読み初め。
新春に読むものではないきもするが、わたしはこの本が好きだ。

Kの死に、毎回鳥肌がたつ。
Kの血潮は、眠る先生の顔にまで及んだのではないかと初めて思いいたる。
頸動脈は首のどこにあって、どう切るとああなるのかを検証したレポートまで読んでしまった。

半藤氏によると、先生の遺書がこんなに長くなったのは、漱石の次に連載予定だった志賀直哉がなかなか書けなくて、間を持たせるためだったんだとか。
それを差し引いても長いが、つくづく漱石は専属作家としても連載作家としても優秀だ。

当時のエゴやら孤独やらも、令和になって一周まわった感がある。
もはや孤独は普通だし、資産家じゃなくても遊んで暮らせるし、天皇にはなんの権限もない。
また、時代の変わり目に読もう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本近代
感想投稿日 : 2023年1月7日
読了日 : 2023年1月3日
本棚登録日 : 2023年1月2日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする