傷物語 (講談社BOX)

著者 :
  • 講談社 (2008年5月8日発売)
4.16
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本棚登録 : 6725
感想 : 488
5

化物語(下)の読み途中ですが、先に読了致しました。あとがきにも書かれていましたが、順番はどっちからでも良いということで、ストーリー的に問題はありませんでした!

とはいえ、化物語では阿良々木くんが忍ちゃんに対して非常に重い罪悪感を持っていたため、何がそうさせたのか??と考えながら読むこととなったので、読む順番によって物語の受け取り方は変わってくるなあと思いました。

本編の感想ですが、委員長ちゃんと阿良々木くんの交流が描かれていた点が個人的には一番好きなポイントでした。
戦場ヶ原よりも委員長ちゃんとの絡みの方にキュンとしてしまう愚かな自分に情けなさを感じつつも、一方でこれは仕方ないさと納得させる自分もいました。それくらい、2人の掛け合いは可愛らしいものでした。

阿良々木くんの、助けて欲しいと泣きわめく吸血鬼を助けてしまう心の弱さは、とても共感できるものだなと思いました。
というのも、私もこんな可哀想な状態の人を見てしまったら、その状況を放置する罪悪感にとても耐えられないだろうと、助けに行く気がするからです。
しかし、こうした弱さというものは表面上優しさに映るものです。だからこそ、貴方は本当に優しい人だねと言われますが、これは当事者にとってより罪悪感を刺激するものとなります。
阿良々木くんには褒められる度にやめてくれと考える描写が見受けられるので、本当に物語シリーズは心理描写においてはとてもリアルだなあと感じさせられることが多いです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年9月2日
読了日 : 2022年9月2日
本棚登録日 : 2022年9月2日

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