主人公の女性教師の最初の語りの部分が実に重たく、しばらく読み進めることができなかったが、先程読了。
最初の60ページくらいまでは改行がほとんどなくページに文字がぎっしり詰まっており、主人公の暗い感情を演出している。
しかし、それ以降は行間も多くなり、始めになかなか読み進められなかったのが嘘のようにサクサクと読める。
内容は実に重たい。しかし、読後感はそんなに重たくない。これは私の考えだが、殺人者や登場人物達の独白が読み進めていくに従って、より重たい事情を持つ人物による独白に移り変わってゆき、静かに、物語が終わるという構成によるものであると思う。
別の言い方をすると、読者を狂気に慣れさせていき、狂気の慣れが最高潮に高まったところで、話をまとめる様に終わっているため、読者にとっても、重たい気分のまま本を閉じることがないのではないかと思う。
正直、私自身、この小説を文学作品としては高く評価しているが、重たい話はあまり好きではない。この私自身の趣味趣向が古典的な文学作品をほとんど手に取らない要因になっている様に思い、反省している。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年12月24日
- 読了日 : 2022年12月24日
- 本棚登録日 : 2022年11月1日
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