容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7)

著者 :
  • 文藝春秋 (2008年8月5日発売)
4.27
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本棚登録 : 51305
感想 : 3839
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天才物理学者湯川vs天才数学者石神の対決。
「難解な問題を作る方が難しいのか、答えを解く方が難しいのか。」
「幾何と見せかけて実は代数に見せかけるトリック」
などなど繰り返し出てくるキーワード。
文系の私から見ると理系的な思考ができる人って本当にすごい。その二人が全身全霊をかけて、頭脳戦を行うのだから読みごたえがあります。

凡人の私にも知人に秀才がいます。一度読んだ本の内容はどこに何があったか全て覚えられる、一度きいたら全部覚えられるのでメモを取ったことがない。人の思いもつかぬところまで見通すことができる。だけど全部覚えられるから嫌なこともいつまでも忘れられないとか、一緒にいると仰天することばかりです。特に何もしなくてもすべての科目を理解できるとか、世の中こんな人っているんだとただただ驚くばかり。
自分は並で十分です(笑)

脱線しました。さて、作中は難解なトリックであるはずなのにすごく読みやすく無駄な部分がありません。
また、登場人物の人間味にも共感することができます。石神か苦悩しているように、一度きりの人生、一つの道を一途に進んでいけたらどんなにいいことだろう。でも私たちはは往々にして、幾度もの方向転換を迫られます。
そんなリアリティーもストーリーを彩っています。
最後にはそうきたか!とすっきりしました。
ミステリーはあまり読んできませんでしたが、フォロワーさんのおかげで面白さがわかってきました。
ありがとうございます。
これからも読書の幅を広げていきたいです。



読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年11月26日
読了日 : 2022年11月26日
本棚登録日 : 2021年12月30日

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