黒革の手帖(上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1983年1月27日発売)
3.64
  • (128)
  • (275)
  • (354)
  • (21)
  • (5)
本棚登録 : 2229
感想 : 201
4

1.気になっていた松本清張シリーズ、今度は銀座の女の野望を描くストーリーということで、まったく開拓していない分野だったので購入しました。

2.銀行員として働くことに退屈さを感じていた原口元子は、バァとして働くことを決意し、銀座で働き始めた。そして、数ヶ月経ったのち退職をして、自分の店を持つことを決意した。元子は自分の店を持つために、会社の金を横領することにし、見事に会社の金を奪った。これの裏には、支店長と次長のある弱みに付け込んだことがきっかけだった。これを機に、退屈さを感じていた元子の人生は、一気に様変わりし、銀座のママに君臨するために、あらゆる男の弱みに付け込んだ。果てなき野望を掲げた女のサスペンスストーリーが今始まる。

3.話の前半から引き込まれてしまいました。最初の、銀行員が不祥事という言葉に特に弱いというところにリアル感がありました。また、元子が女1人であらゆる男の弱みに付け込んで世間を渡り歩いていく姿は意固地に見えました。男女平等の社会が浸透し始めた現代では、女性にとってどのように思っているのかは、常々考えています。銀座のような場所であれば、元子のような女性が特に多いと思うのですが、指名されることが命の彼女達は生き残りをかけて闘っています。私はこのような女性には縁がないので、普段と違う女性について知ることができたので、面白かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年7月7日
読了日 : 2019年7月7日
本棚登録日 : 2019年7月7日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする