星が吸う水 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2013年2月15日発売)
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本棚登録 : 915
感想 : 69
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◯星が吸う水

 ラストの砂利でのシーンに関する友人の感想が、悲しくなりました。どうしても理解の範囲外にある意見に対して歩み寄るのは難しいと痛感しました。鶴子の、自分が人と違う考えを持つからこそなのか、相手の考えをいつも尊重しようとしている姿勢を私ももっと持ちたいと思います。


◯ガマズミ航海

 文庫本でいくつか話が収録している場合、似たテーマを合わせることがほとんどだと思います。ガマズミ航海を読み始めたとき、ああまた性についてかあと多少のまんねりを感じました。何となく、ほかの(まだ読んでいないものも多くあるので偉そうな考えだとは思うのですが)村田沙耶香作品でも性に関する描写が似ている気がして同じようなの読んだのになあ、と。村田沙耶香さんは読みやすい、まわりくどくない直接的な表現が多いように思うのですが性描写もそれで余計にワンパターンに感じてしまいました。
 ただガマズミが星吸うと異なるのは性に疑問を持つ主人公に共鳴してくれる人が現れることです。村田沙耶香作品では主人公が突出して奇抜なイメージがあったので、2人が同じ方向に向かう本作は新鮮でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年11月12日
読了日 : 2020年11月12日
本棚登録日 : 2020年11月12日

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