冒頭の「階段を下りる女」と題された絵の描写と終盤に描かれる階段から下りてくるイレーヌの姿。絵ととも行方をくらました40年前のイレーヌと、最後の夜にボートから忽然と消えたイレーヌ。40年の時を経た追体験のようだ。
年老いて余命いくばくもないイレーヌとの短い共同生活。若き日の初恋の痛手が棘のように刺さったまま本当の愛を知らずに初老を迎えた主人公は、イレーヌとの間で起こりえた未来を共有することにより真の愛情に目覚めていく。
大人になり切れない男たちの再生のための物語。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外文学:現代:小説
- 感想投稿日 : 2020年6月20日
- 読了日 : 2020年6月19日
- 本棚登録日 : 2018年3月10日
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