白バラ四姉妹殺人事件

著者 :
  • 新潮社 (2004年8月28日発売)
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本棚登録 : 85
感想 : 26
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私は私が誰なのかわからない。
だから誰かに支配されると安心する。
女は男に支配され、婦人は女に支配され、男は婦人に支配される。またそれは常に簡単に逆転する。
母と娘の共依存と、そこにいる異物である男の存在。
だからこそ婦人から依存される女を嫉妬し支配しながら、婦人への愛憎が募る。
婦人なのか、女なのか、末っ子なのか自分が誰なのかわからなくなるし、
男なのか、娘の愛人なのか、女の婚約者なのかわからなくなる。
自分のことも相手のことも、自分が誰でで誰と向き合っているのかさえもわからない。
匿名になった途端にわからなくなるくらい、アイデンティティなんてそれくらい曖昧なものなのかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2020年6月10日
読了日 : 2020年6月9日
本棚登録日 : 2020年6月9日

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