水滸伝 10 濁流の章 (集英社文庫 き 3-53)

著者 :
  • 集英社 (2007年7月20日発売)
4.18
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本棚登録 : 1497
感想 : 99
5

折り返し地点の第10巻でございます
え?もう?っていうね

ハードボイルドを始め、この『水滸伝』でもそうなんだけど無骨な漢たちを描くことから、無骨な文章を、荒々しいとっつきにくい文章を想像するかもしれませんが、ぜんぜんそんなことなくて非常に読みやすいんだよね
一度試しになにか読んでみてほしいです
余計な修辞がないんでまどろっこしい感じがない、キャラがしっかりしているので、いちいち説明しなくとも会話で物語が進むのも読みやすいポイント
交わされる会話は荒々しいけどね

さて本編は梁山泊軍が呼延灼率いる精鋭の部隊とぶつかり、初の大敗を喫しますか、ここで高俅が大きな存在感を発揮してくれます
『北方水滸伝』オリジナルの青蓮寺によって影の薄い四姦ですが、やるときゃやります!
しっかりとやっぱやな奴感を撒き散らして再登場を待ちます
今後高俅にスポットを当ててくることもあるんかな?その辺も楽しみ

はい!一〇八星ぜんぜん違うじゃん!のコーナー!
今回は、第九十二位の好漢、地囚星の旱地忽律(かんちこつりつ)朱貴です

まぁやってることは珍しくオリジナルとほぼ一緒ですが、オリジナルはお酒にしびれ薬を混ぜて旅人の身ぐるみ剥いで梁山泊の軍資金にするなどけっこう悪どいです
『北方水滸伝』では、安道全に死期の近い奥さん陳麗から痛みを取り安らかに過ごさせてくれたことに恩義を感じ、また志のために晁蓋らが梁山泊を奪取する手助けをします
王倫に不満を抱いて手引きしたのはオリジナルも一緒ですがもっと世俗的な理由だったと思います

ちなみに奥さんの陳麗は『北方水滸伝』の創作です

梁山泊の若き好漢たちを一歩離れたところから俯瞰で見てるようなところがありつつ、若い者に助言を与えることもあり、カッコいい中年という感じで、やっぱりオリジナルにはない深みがすごい

最後は己の夢を弟に託してカッコよく死んでいきますが、オリジナルではけっこう長く生き残り、最後は病死でした

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 北方謙三
感想投稿日 : 2023年9月19日
読了日 : 2023年9月18日
本棚登録日 : 2023年9月17日

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コメント 10件

1Q84O1さんのコメント
2023/09/19

もう折り返し!
やっぱり読むの早いです〜Σ(゚Д゚)

ひまわりめろんさんのコメント
2023/09/19

Oh!Yeah!
あ、ここじゃなかった

1Q84O1さんのコメント
2023/09/19

Oh!Yeah!と書いてすいこでんと読むから大丈夫じゃないでしょうか(≧∇≦)b

ひまわりめろんさんのコメント
2023/09/19

なるほどいやなるほど違うわ!

1Q84O1さんのコメント
2023/09/19

Oh!Zannen!⤵

aoi-soraさんのコメント
2023/09/20

メロンパンナちゃん!
こちらは、ひまわりめろんさんの御宅でよろしいでしょうか!?
かわゆい(⁠´⁠ε⁠`⁠ ⁠)

ひまわりめろんさんのコメント
2023/09/20

なんかアイコン変えるの流行ってるっぽいので
アオイさんといかw

ひまわりめろんさんのコメント
2023/09/20

いかって誰やねん!

kuma0504さんのコメント
2023/09/28

「夢が死ななければ、私も死なないのだ。お前がいだく夢の中で、生き続けている。」

「人は、ひとりではない。」
だからいろいろと面倒なこともある。きれい事ではない、こともある。そんなこんなを全て包み込んだ上で、「一度は、生ききった。」と言い切った朱貴を私は仲間として見送った気になる。仲間っていいものだ。

ひまわりめろんさんのコメント
2023/09/28

朱貴カッコいいおっさんでしたよね
北方謙三アニキの死生観みたいなのを体現する死に様だったような気がします

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