万能鑑定士Qの事件簿VI (角川文庫 ま 26-315)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年10月23日発売)
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万能鑑定士シリーズの第6弾。万能贋作士・雨森華蓮が相手となるストーリー。MNC74の正体を暴くべく葉山・宇賀神らとともに暴いていくが、いっこうにその偽物は見つからない。様々な手段で騙そうとする雨森華蓮とその謎を解こうとする凜田莉子の闘いがとても面白かった。屋敷で何を鑑定しても本物しか出てこず何が目的なのか、手がかりが何なのかが莉子に気づかせない所が華蓮の強敵ぶりを表わしていると感じた。
目的も今までとは異なり売りつけるためではなく、自分にとって都合の良い鑑定士を製造するためのものである事が明らかとなったところがとても凄い作戦だと思った。普通に考えると、目利き力のある鑑定家が鑑定した方が商品に信頼が生まれるがそのような事は関係なく鑑定家であるという所が重要だという事がこのトリックの肝であった。
最後に、今回も莉子は今までの犯人と同じように莉子の説得に心を洗われていくが、今回は今までとは違い彼女は再犯の予兆を残すものとなった。しかし、エピローグの彼女を読むと彼女はただのサイコパスではない別の一面を見せることとなった。次の彼女が見せる一面は白雨森か黒雨森か、読者としてとても楽しみである。

この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
凜田莉子:佐藤聡美
小笠原悠人:寺島拓篤
葉山翔太:中村悠一
荻野甲陽:平田広明
宇賀神博樹:神谷浩史
雨森華蓮:日笠陽子
天笠絢音:村川梨衣
熊切比乃香:徳井青空
須磨康平:谷山紀章
折橋智哉:前野智昭
八木沢駿介:黒田崇矢
片貝咲良:富田美憂
辻中隆:三宅健太
嶋真央:生天目仁美

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー小説
感想投稿日 : 2022年2月13日
読了日 : 2022年2月13日
本棚登録日 : 2020年8月28日

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