さよなら妖精 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社 (2006年6月10日発売)
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本棚登録 : 6211
感想 : 569
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米澤穂信の初期作品。
元々は『氷菓』シリーズの最終章として書かれた物だけアリ、どことなく古典部のような雰囲気で、高校生特有のみずみずしさとさわやかさ、そしてその背後にある世界観の不穏さがバランス良く配置され、更にマーヤの日本の習慣や言葉などからの謎解き要素も含まれている所も面白かったです。
マーヤと他のメンバーが過ごして行くにつれてユーゴスラヴィアの治安が悪化していき、それにつれてマーヤの雰囲気もシリアスな物になっていき、守屋やいずるの彼女を戦火に帰したくないという思いがとても切なかったです。送別会のシーンでの守屋とマーヤのシーンは心がキュッとなりました。そして彼女が亡くなったことを知るシーンはとても切なかった。守屋はもしかしたらマーヤのことが好きだったのかも知れないなぁと思ってしまった。
太刀洗万智シリーズが始まったきっかけともなった出来事であるため、同シリーズを読み返したら他の発見もあるかも知れないと思いました。

この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
守屋路行:中村悠一
マーヤ:石見舞菜香
太刀洗万智:茅野愛衣
白河いずる:佐藤聡美
文原竹彦:阪口大助
額田広安:吉野裕行

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー小説
感想投稿日 : 2022年10月30日
読了日 : 2022年10月30日
本棚登録日 : 2020年8月25日

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