村上文学のなかでは、自分探しをしながら、他人と関わって、自分を成長させていく、ノルウェイの森やねじまき鳥クロニクル系の小説。いつもながら、主人公の孤立が中央にでんと座って、さまざまなモチーフが絡み合って物語が複雑化していますね。
オィディプス王に似た父親殺しから、母親との姦通も匂わせるエディプスコンプレックスらしきものを大きな筋として、主人公カフカが自分と向き合っています。幻想世界の中には、源氏物語や雨月物語の生霊が加わり、対役のナカタさんが親近感高く描かれています。突飛だが、妙にリアリティーのあるナカタさん、好きだなー♪
物語があっちの世界に行ったり、こっちの世界に帰ってきたり、村上ワールド全開に楽しめます。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年1月13日
- 読了日 : 2023年11月3日
- 本棚登録日 : 2024年1月13日
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