平林たい子の最期の力作といわれている。
苦境の時代を共有した友人の伝記だ。
林芙美子も宮本百合子も平林たい子もというか、このあたりの女性作家の小説とは縁がなかった。むしろ、なぜか避けて来たような気がする。
高校時代に読んだ微かな記憶はあるのだが、その読後感がよくなかったのかもしれない。
今回は林芙美子のことを調べる必要に迫られて本書を読んだわけで、だから、林芙美子の小説はもう食傷気味。だが、平林たい子のしっかりとした目線と気品のある文章に何作か読んでみようかと思わされた。
また、たい子の捕らえた宮本百合子も一度はきちんと読まなければならないのかもしれない。
友人としての私情を押さえた、けれど押さえ切れない何かかが行間から感じられるだけに資料以上の文学に近いものを感じた一冊だった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
人物伝系
- 感想投稿日 : 2012年12月23日
- 読了日 : 2012年9月17日
- 本棚登録日 : 2012年9月16日
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コメント 1件
akigasumiさんのコメント
2012/09/17