魔王 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2008年9月12日発売)
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本棚登録 : 29486
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それぞれが違う特殊な能力を持った兄弟が、世の中を変えていきたいと決意し、立ち向かおうとする
この作品の様に強い指導者が出て来た時に、他人の意見を迎合することなく、俯瞰的に物事を見る事が出来るのだろうか?
疑問を抱く事が出来るだろうか?
それは家族だったり、学校、職場、どこの世界でも同じ事だと思った
「考えろ、考えろ、マクガイバー」

作中に出て来る宮沢賢治の『注文の多い料理店』とシューベルトの『魔王』の歌も、ファシズムに巻き込まれて気付かない、考えているつもりになっている暗喩として用いられている

テーマが現実的な問題であり、突き刺さる言葉が多いので、読んだ後も引きずり考えさせられる
そして完成系ではないので読後感はスッキリしない
しかし『モダンタイムス』に話が続くと他の方々のレビューにもあったので、後々読もうと思っている

もし自分に兄の様な特殊な能力があったら、どう使うか?
弟の様な特殊な能力があったら、どう使うか?
ちょっと考えてみるのも楽しい
「ドゥーチェ」のマスターと兄の対決は、エスパー対決みたいで独特の世界観だった
離れた場所にいながら目と目で心と心で戦い、人知れず決着がついていた
ちょっと怖い。。。
そして千葉がいた(O_O)
千葉ってあの千葉だよねー?!
いつも思うのだが、他の作品のキャラクターが出て来ると嬉しくなるのは何故だろう?(笑)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年2月26日
読了日 : 2023年2月26日
本棚登録日 : 2023年2月9日

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