肩胛骨は翼のなごり (創元推理文庫) (創元推理文庫 F ア 2-1)

  • 東京創元社 (2009年1月22日発売)
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感想 : 83
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マイケルは両親と生まれたばかりの赤ちゃんと、老人が孤独死したあとの廃墟のような家を買い、引っ越してきた。引っ越しの翌日、壊れかけたガレージで、マイケルは、ほこりまみれ蜘蛛の巣だらけの「彼」を見つける。危険だからと止める両親の目を盗んで、マイケルは「彼」を確認するためにガレージを訪ねる。なにか欲しいものはないかと訪ねるマイケルに、彼は「アスピリンと27番と53番」と応える。
家の片付けと修理を始めてすぐ、母親は、具合の悪くなった赤ちゃんに付き添うため病院に泊まり込むことになった。
隣家の少女ミナと親しくなったマイケルは、彼女と彼の秘密を共有した後、彼らを会わせ、彼女はマイケルとともに、彼女の持っている空き家に彼を移す。そこで彼は、自らの名前を明かし、背中の羽を見せるのだった。

少年の不思議な体験を描く物語。





*******ここからはネタバレ*******

なんとも不思議な物語です。
正直何を言いたい話なのか、よくわかりませんでした。

スケリグとは一体なんだったのか?翼の生えた人間?人間の形をした翼付きの獣?
言葉を話し、服をまとい、ビールや中華料理やアスピリンを欲するけれども、どうも身体はそれを歓迎していないように思える。
フクロウの分けてくれる生肉のほうがいいのではないのか?……とすると、後者?

スケリグの言動も理解しづらい。
ミナと会うまでは、名前さえ明かそうとしなかった。学校へ行かないミナに共感するものがあったからなのか?フクロウのいる部屋が気に入ったからなのか?自分の存在を認めてもらったからなのか???


ボロボロの自宅と普段どおりの学校とのギャップの中で、入院した赤ちゃんの心配をするマイケルの気持ちが痛いほど伝わってきます。
ミナとスケリグは、そんなマイケルの心を慰めてくれる存在だったんでしょうね。


印象的なタイトルですが、これも不思議。
原書は「Skellig」。
表紙絵のマネキンさんも???




主人公の年齢が見つけられませんでした。
でも、難解なので、読解力のある高学年以上がいいと思います。


*******ひとりごと*******

図書館でお目当ての本を見つけるのがとても下手なので、いつもは予約してカウンターに置いておいてもらうんですけど、今回この本は書架で見つけました。
そこで気が付いたんです。著者は、「パパはバードマン」を書いた人なんですね。他の著作はまだ読んでいませんが、翼のある人間に関心のある方なのかな?と思いました。

いつもと違う探し方で、いつもと違う発見をしました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 児童書
感想投稿日 : 2020年10月31日
読了日 : 2020年10月31日
本棚登録日 : 2020年10月31日

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