昔はよく中川淳一郎氏のネット批判の本を読んでいたけど、最近読んでなかったなと思って読んでみた(といっても2017年の本)。
前に読んだ本がどうだったか覚えてないけど、昔より柔らかくなってるような。もう少し過激な印象をもったような気がするのだけど、今回はそんなこともなかった。自身もネットメディアに関わった、ある意味加害者の立場でもあるからなのかも。
それどころか、梅田望夫や東浩紀といった、昔インターネットに期待していたのに今となっては「日本のウェブは残念」という発言をとりあげているにも関わらず、著者はまだ「なんとかなる」と希望を捨てていないように感じた。意外と楽観主義なのかも(もちろん、その理由もちゃんと書いてあったけど)。
本書のメインの話は、キュレーションメディアについての話なのだけど、この本を読んでいかに質の低い記事を乱発していたか知って驚いた。DeNAのWELQという医療系のキュレーションメディアでは、2016年6月には3488本もの記事が公開されたらしい(他の月も2000本以上はある)。よくそれだけの記事を量産できたなと驚き。バイトを雇えばいいといっても、どれだけの人数が関わっていたんだろうかと。
後、ところどころでHagexさんのことについて書かれてあって、少し感慨深かった。この本がでて一年後に殺害されてしまうなんて誰も思わなかっただろうなと。本当、どうしてあんな事件が起こってしまったんだろうかと。あれはまさしく、ネットを起点として起こってしまった殺人事件だよなと思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
図書館から借りた
- 感想投稿日 : 2019年3月30日
- 読了日 : 2019年3月30日
- 本棚登録日 : 2019年3月30日
みんなの感想をみる