→→→上巻からの続き
素性の知れないあの人は殺人逃亡犯なのではないか?と周りの者たちが疑い、恐れ始める──
信じていたのに裏切られた
信じようとしたけど、できなかった
信じてくれなかった
人を「信じる」ことについて、こんなパターンが出てくる。
人は、地域で、職場で、家庭で、どのようにして他人からの信用を得ていくのだろう。また逆に人の何を見て信用するのだろう?
人柄?態度?社会的地位?職業?経済力?学歴?家庭環境?…違うと思う。色々と考えてしまう。
やはり自分の直感なのかな。
「信じられるか、信じられないか。主観的なものだ。その主観は信じる自信があるかないか。要するに自分に自信があるかないか」(下巻P42)に結びつきそうだ。
理不尽な終わり方に「怒り」がわいてきた。
作者への怒りではない。
昨今の真相が究明されない未解決事件、捜査打ち切り、不起訴処分等に重ね合わせてしまうのだ。
作者曰く、本書は“怒れない人の話”なんだそうだ。怒れない人たちに光を当て、小説として書くべきテーマだと。
吉田修一さんにもっと書いていただきたい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本文学:作者や行
- 感想投稿日 : 2024年1月20日
- 読了日 : 2024年1月19日
- 本棚登録日 : 2024年1月20日
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