生得と学習の二元論ではなく、基本設計としての普遍文法を原理として生後の環境に応じた言語を獲得していくという考えに概ね納得できた。第11章「ビッグバン」では、これまでの人類の進化プロセスの中でどのように「言語」を司る機能が生じたのかについて、いわゆる一つの幹ではなく枝葉に別れて生物が進化してきたと解釈すれば、たとえばチンパンジーなどが文法的な言語処理ができないことが決して不思議ではないという話があった。進化論の理解も改まったが、言語能力の萌芽が他の種にもあるはずだという考えがいかに素人的なものか痛感させられた。
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- 感想投稿日 : 2020年6月7日
- 読了日 : 2020年6月7日
- 本棚登録日 : 2020年5月4日
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