大学生の総司は単位を取るためだけに老人用弁当の宅配ボランティアを始めます。そこで出会った老婆カエ。戦争で家族と片目を失い孤独に生きる彼女は、不自由で質素な生活をしているのにとてもお茶目で、ひとつひとつの行動が本当に乙女で可愛いです。楽をすることしか考えていなかった総司が、悲惨な戦時中の体験や初恋の思い出を聞くことによって、戦争を自分で調べようとするほどに変わっていきます。嫌でもひきこまれ、涙こぼさずにいられません。ミスリードをきちんと含んだしっかりしたミステリだったところもとても良かったです。
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- 感想投稿日 : 2019年6月14日
- 読了日 : 2018年4月3日
- 本棚登録日 : 2019年6月14日
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