ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2015年6月25日発売)
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先日マハさんの「モネのあしあと」を読み終え、クロード•モネに興味を持ち、数多くある積読の中から探した本書「ジヴェルニーの食卓」。

探してはみたが、見つからない。

そう、マハさんの作品はほとんどを持っているにもかかわらず本作は持っていませんでした。

となれば、買うしかないですよね。

ということで購入後の一気読みです。

本作はモネ以外にマティス、ピカソ、ドガ、セザンヌといった巨匠に関する4編の短編がおさめられています。

先に「モネのあしあと」を読んでおいてよかったぁ。

それぞれの物語で主人公として描かれるのは巨匠たちの側にいる女性たち。

なぜなら、それは私の化身だからです。
憧れている画家たちについて書くからには、私自身がその人に自己投影できる存在にしたかった。
(モネのあしあとよりP 112)

「リボルバー」もそうでしたよね。

確かに誰が、いつ、どこで、どの絵を描いた等は歴史を紐解けばある程度はわかってくるでしょう。

でも、その時代に生きた人々が何を感じ、何を思い、生きていたのかまではわからない。

史実に加えられたマハさんなりの妄想かも知れませんが、マハさんがいかに彼等を愛しているかが伝わってきます。

近年、ようやくアートというものに興味を持ちはじめたとはいえ、それはいわゆる現代アートと呼ばれるもので、無知故に絵画に対する知識もなければ正直なところ興味もありませんでした。

「モネのあしあと」の感想にも書きましたが、間違いなく興味を持ち始めている自分がいます。

きっかけは間違いなくマハさんの「風神雷神」や「リボルバー」等の作品。

コロナ禍で思うように行くことは出来ませんが、今まで興味のなかった美術館巡りをしたくてウズウズ。

落ち着いたら必ず行こうと改めて思いました。



説明
内容紹介
印象派の巨匠4人の美の謎を色鮮やかに描き出した短編集。
モネ、マティス、ドガ、セザンヌという4人の印象派の巨匠たちの、創作の秘密と人生を鮮やかに切り取った短編集。ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、制作を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」)
語り手は画家の身近にいた女性たち。美術史や評伝から見えてこない画家の素顔や心情が、キュレーターの経験がある作家の想像力によって色鮮やかによみがえる。

目次
うつくしい墓
エトワール
タンギー爺さん
ジウェルニーの食卓
内容(「BOOK」データベースより)
ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、制作を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」)新しい美を求め、時代を切り拓いた芸術家の人生が色鮮やかに蘇る。マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌら印象派たちの、葛藤と作品への真摯な姿を描いた四つの物語。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
原田/マハ
1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部および早稲田大学第二文学部卒業。2005年「カフーを待ちわびて」で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し作家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年12月31日
読了日 : 2021年12月31日
本棚登録日 : 2021年12月31日

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