カインは言わなかった

著者 :
  • 文藝春秋 (2019年8月28日発売)
3.27
  • (23)
  • (58)
  • (109)
  • (26)
  • (9)
本棚登録 : 798
感想 : 108
3

芸術、表現というものと、一般人の感覚の乖離がテーマな気がしました。演出家、ダンサー、画家。三人の非凡な男たちと、彼らを理解しようともがきながら、決して理解出来ない断絶に慄然とする一般人たち。
我々凡人が理解出来るのはこの本の中に出てくる一般人のみ。表現者3人を「分かる」なんて人がいたら、今すぐ何かの芸術に邁進した方がいいでしょう。それぐらい分からないし、理解不能でいいと書いたんじゃないかな。
だからこの本を読んでも結論は何も出ない。最後の終わりが印象的だけどそれだって分からない。結局人の頭の中にあるものが全て言語化出来ないのと同じで、表現とは何もかも不完全で完成は無いんだと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年5月30日
読了日 : 2022年5月30日
本棚登録日 : 2022年5月30日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする