私自身、大なり小なり結構悩むことが多い。
その度になんだか全てが嫌になったり、ものすごく落ち込んだり。そんなときを、無理をせずに上手に過ごすコツが書かれたこの本。相手や環境は変わらないけれど、考え方一つで私たち自身はかなり変われる(それもいい方向に)。これからの人生、もうちょっと楽して生きていこう

2023年11月25日

読書状況 読み終わった [2023年11月25日]

「レモンタルト」という言葉に官能を感じたのはこれが初めてである。

私と義兄。それ以下にも以上にもならない関係野中で、穏やかに、激しく燃える「私」の恋心が細やかで淡々とした文章で綴られていく。

解説にもあったように、この小説の中には人名の表現が避けられ、代わりに「私」との関係性やイニシャルが使われている。
これにより、単に「私」がある男に恋をしているのではなく、その相手が姉の夫、「義兄」であることがありありと映し出される。姉の弟である以上絶対崩れない、それでいて脆弱で官能的な関係性。

「姉の海」という表現が、わたしにとっては1番甘やかで印象的だった。「私」の中にも、「義兄」の中にも、常に「姉」という存在がいるのだ。だからこそ、2人の関係性は強く続いているのだろうし、「私」にとってはそれが恨めしくも心地良くもあるのだろう。

大好きな作品、江國香織『きらきらひかる』の読了にもあったような、夢幻的な、切ない後味がたまらない。これからもたまに読み返そうと思う。

2023年7月1日

読書状況 読み終わった [2023年7月1日]

現代を生きるヒロインを通して見つめる、戦時中の思想や日常。今とは全く異なる価値観。扇動行為の違和感。戦争について、もっと学びたくなった。学ぶべきだと思った。

2023年7月9日

読書状況 読み終わった [2023年6月7日]

なんだか漠然と生きるのがしんどい私へ

ポジティブに生きることって、思っているよりも難しい。自分の心はいつも思うようにならないし、それは相手の心もそう。

他人からの評価ばかり気にして、自分を大切にしてあげるのを忘れていない?私が私で生きられるように。ちょこっと強気に、前向きに進んでみる

2023年5月21日

読書状況 読み終わった [2023年5月21日]
カテゴリ エッセイ

小説でしかできないトリック!

読者の固定観念を丸々利用した仕掛けに、
最後まで騙され続けてしまった...

普段はあまり読まないミステリー作品、
ハマるかもしれないっ

2023年7月9日

読書状況 読み終わった [2023年6月7日]

今までも、これからも、何者でもない私たちへ

現代を生きる少女たちの葛藤を描いた作品。
「〜な人」と簡単にカテゴライズされ、その属性から出ることはできない。
他者から枠組みに入れられることに苦しみながらも、こちらも他者を無意識にカテゴライズする。それほど私たちは周りを自分たちの見たいように見てしまうきらいがある。

「多様性を認める」ことに固執し、「多様性とは何か」を考えることに気が回らない。そんなことが自分にも起きてしまっているはず。

そんな現代を生きる少女たち。
本人に当事者性なんてないのに「属性への対応として推奨された(p.66)」で接してくる人たち。
周りに“与えられた“属性から「踏み出したら輪っかの形が崩れてしまう(p.67)」から、「優しく手をつないでくれた人をがっかりさせないように、黙って笑顔で収まっている(p.67)」しかない狭苦しさ。

好意は時に同情となり、時に人を孤独にさせる。

小さくて繊細な、それでいて途方もなく大きな生きづらさが、少女の目線で瑞々しく描かれている。「どこかで聞いたことのある定形文の言葉(p.103)」に辟易しながら、彼女たちはどこにも行かずただ寄り添う言葉を模索していく。何者としてでもなく、ただ「わたし」として。

2023年5月21日

読書状況 読み終わった [2023年5月21日]
カテゴリ 純文学
ツイートする