日輪の賦 (幻冬舎時代小説文庫)

著者 :
  • 幻冬舎 (2016年6月10日発売)
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本棚登録 : 198
感想 : 20

誰も悪役に決めつけない著者の優しい視点が心地よい。
最後の「大王」持統天皇、その意味は大王支配から官僚制への大転換。官僚制から転換するこれからの世界を想像すると、その困難さにハッとした。
女を捨てた、人間を捨てたと揶揄される持統天皇の独白に共感。
不比等の馬面髭面不細工描写に気を取られたが、今回は準主役というより脇役だったので、気になる存在になった。
太政大臣(おおいまつりごとのおおおみ)大納言(おおいものもうすつかさ)など和訓読みが美しく感じた。

中央公論新・日本の歴史3記述「対馬から金は出なかった」が五瀨の逸話に発展していて、さすがだなあと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学
感想投稿日 : 2021年9月18日
読了日 : 2021年9月18日
本棚登録日 : 2021年9月18日

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