シタフォードの秘密 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房 (2004年3月16日発売)
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本棚登録 : 291
感想 : 34
3

ノン・シリーズ。

雪深いシタフォード村の山荘で行われた降霊会。そこで“降りてきた霊魂”が、山荘の持ち主ではるかふもとの村に住んでいるトリヴェリアン大佐の死を告げます。
そして、その同時刻に予言されたとおり、大佐が本当に殺害されていて・・。
ナラコット警部が捜査にあたり、殺された日に大佐の家を訪問していた大佐の甥・ジェイムズ(ジム)が容疑者として逮捕されてしまいます。
そこで立ち上がったのが、ジムの婚約者・エミリー。
クリスティーのノンシリーズによく登場する、魅力にあふれたアクティブ女子で、新聞記者のチャールズと共に(というか彼を丸め込んで)、真相解明に乗り出します。
シタフォードの村人達から情報を引き出す為、愛想を振りまくエミリーですが、利用価値がないワイアット大尉に対しては塩対応なのが笑えます。
山荘の借主のウィリット母娘も明らかに訳アリですし、他にも色々怪しい人達の人間模様も、謎解きと併せて楽しめます。
で、真相ですが、ラストで一気にというか、あっけなく明かされる感じです。ちょっと殺人の動機が弱いかな、とも思いましたが、積もり積もったものがあったのかもしれないですね。
そして、本書の最大の謎(?)が、美人で頭が良くて魅力的なエミリーが何で、だめんずのジムを選んだのか?だと思いますが、エミリー曰く“あたしが世話を焼かなければ・・”との事でして、まぁそんなものなのですかねー。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2021年読了分
感想投稿日 : 2021年10月1日
読了日 : 2021年10月1日
本棚登録日 : 2021年10月1日

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