死が最後にやってくる (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房 (2004年4月16日発売)
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本棚登録 : 353
感想 : 36
3

ノンシリーズ。

紀元前二千年のエジプトが舞台という異色の設定ではありますが、良い意味で“いつものクリスティー”ともいえる、人間ドラマ&ミステリを楽しませて頂きました。

墓所守をしている一族の長・インホテプが、北方からノフレトという美貌の愛人を連れて帰ってきたことから一族内の空気が不穏なものに包まれていきます。
インホテプの娘・レニセンブの胸騒ぎも虚しく、ある日ノフレトが墜落死してしまい・・。
ノフレトVS一族の妻女達のバチバチの対立から、ノフレトの死を皮切りにしての連続不審死。
その真相は、殺人のトリック云々ではなくて“まさか、あの人が!?”という、“印象操作”的な目くらましで見事に騙されました。
そして、レニセンブの恋の行方は?誠実なホリかイケメンのカメニを選ぶのか・・というロマンスパートも注目です。
解説でも書かれていましたが、本当にクリスティーは“人間関係の綾”を描くのが上手いですよね。
個人的に、トリック一辺倒のミステリより“物語性重視”なので、私がクリスティーを殊更に好む理由がこれなんです。
と、いう訳で久々にクリスティーワールドを堪能させて頂きました。うん、これこれw。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2022年読了分
感想投稿日 : 2022年4月5日
読了日 : 2022年4月5日
本棚登録日 : 2022年4月5日

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コメント 2件

111108さんのコメント
2022/04/05

あやごぜさん、こんばんは。

これ完全にノーマークでした!
あやごぜさんのレビューからすると、隠れた名作の感ありますね。
「印象操作的な目くらまし」で私もクリスティーに騙されてみたいです!

あやごぜさんのコメント
2022/04/06

111108さん、コメントありがとうございます♪

おお。ノーマークの作品だったのですね!
紀元前二千年のエジプトという異色の舞台設定なのですが、クリスティーお得意の人間描写が冴えわたっていて、確かに隠れた良作だと思います♪
クセの強いキャラも出てきますし、お楽しみ頂けるかと思いますので良かったら読んでみて下さいませ~(^_-)-☆

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