荊[いばら]の城 上 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2004年4月22日発売)
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本棚登録 : 1157
感想 : 102
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上巻読了。

時は19世紀半ば。ロンドンの下町で掏摸を生業として暮らしていた少女・スウ。
ある晩、知り合いの詐欺師〈紳士〉から、田舎の城に住む令嬢をたぶらかして巨額の財産を奪い取る計画を持ち掛けられます。
その話に乗る事になったスウは、件の令嬢・モードの新しい侍女としてブライア城へ向かいますが・・・。

第一部はスウの視点、第二部はモードの視点で物語は展開するのですが・・・いや、もう、第一部のラストが驚愕すぎて、思わず“お口あんぐり”になってしまいました。完全にやられましたね~。
そして、第一部では見えなかった裏側が、モード視点の第二部で明かされていくのですが、その事情がそれはもう残酷かつ淫靡で、読んでいて酸欠になりそうなほどでした。
スウやモードの心情の変化や心の揺れ動く様が手に取るように伝わってくるような、緻密な心理描写も見事ですね。
さて、これからどのように展開するのか、先を読むのが楽しみなような怖いような複雑な気持ちで、下巻に進もうと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2022年読了分
感想投稿日 : 2022年12月25日
読了日 : 2022年12月25日
本棚登録日 : 2022年12月25日

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