黄昏の彼女たち〈上〉 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2016年1月29日発売)
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本棚登録 : 202
感想 : 25
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1920年代、第一次世界大戦後と第二次世界大戦の間のイギリスが舞台。戦後の喪失と未来への希望が見えない世界への不安。まして西欧といえども女性の地位が低かった。女性の選挙権もまともになかったようだな時代が舞台。

戦争で逝ってしまった兄や弟。そして父も借金を残してなくなってしまった、古い大きなお屋敷に母と暮らせば、維持するために、部屋を貸していくしかなかった。
お嬢様だった「フランシス」、なのに屋敷を管理するのは当然、お手伝いさんも雇えないので、自分で掃除も何もかもしなければならない変化。26歳の独身、鬱々たる毎日になる。しかも過去に女性問題事件を起こしている秘密があった。

貸室に来たのは若いご夫婦。その妻はちょっと変わっていて魅力的だった。自然と親しくなり…。

と、ミステリアスというより、危なっかしい展開になる。

独特の雰囲気だった『半身』や『荊の城』に続く、サラ・ウォーターズ節なるか?
上巻はやや普通だね、というところかな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2022年
感想投稿日 : 2022年3月7日
読了日 : 2022年3月5日
本棚登録日 : 2022年3月7日

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