朝起きてから夜寝るまでにいったいどれだけの紙に触るだろうか。
新聞、ティッシュ、キッチンペーパー、トイレットペーパー、雑誌にコミック、文芸書に文庫、おっと、レシートもあったな。
何気なく何度も何種類も触っている紙が、ある日突然無くなったら…困る。いや、困るなんてもんじゃない、生活自体が成り立たない。
けど、そんな状態になりかけていたのですね、この国は、あの3月11日に。
壊滅的な状態からの復興。言葉にすれば簡単なことに思えるけれど、そこにはやはり当事者にしかわからない、というより、わかった気になってはいけない苦しみと悲しみがあるのだろう。
この一冊は、そんな「わかることはできないけれど覚えておかなければならないこと」が詰まっていた。
震災と復興の物語、というだけでなく、現場の力、職人の矜持、リーダーのゆるぎない意志力、など危機的状況からの再生に必要な企業の力を示してくれている。
日常的に紙に触れている私たちだからこそ、この一冊をたくさんの人に手渡たさなければ、そう強く思った。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2014年6月
- 感想投稿日 : 2014年6月22日
- 読了日 : 2014年6月22日
- 本棚登録日 : 2014年6月22日
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