ソンタグの「わたしのアメリカ」小説なのかな… 粗削りで不格好ともいえる、上手さを感じさせない作品。それなのに読み続けてしまったのは、主人公の意志の強さと自分大好きなところ、それに伴う彼女の中での他者の相対的な価値の低さが本書の中でどのようにまとめられるのか気になってしかたなかったから。結局マリーナが途中で立ち止まることはないしどうというオチはないしでカタルシスはない。ただじんわりと彼女の生き方についてわかるところとわかりたくないところ、どちらもあるのだよなあとぼんやりした。
自分を愛せないと生きていけないけれど、マリーナほど他者との関係を軽く扱ってしまうのもこわい。最終的に人生の質を決めるのは人間関係なはずだと思っているのだけれど、芸術家は違っていても大丈夫なのかもしれない。凡人だから定説に従いたい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
英米 - 小説/物語
- 感想投稿日 : 2016年7月8日
- 読了日 : 2016年7月8日
- 本棚登録日 : 2016年7月8日
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