ザンダーの写真集をめくってから再読したところ、本書の写真論の多くがザンダーの写真集の編纂者が解説に書いていることと重複しているのに気づいて、大変興醒めした。みんなが知っている識者や作家の文章は本文で引用したりエピグラフに使って「俺は読んだ」アピールをして、肝の部分は黙って人の書いたものを使っちゃったように見えた。原著ではきちんと参考文献に挙げたんだろうか。
また、一周目では女性の扱いの悪さに気分を悪くしていたのだけれど、今回読んでみたら性別問わず一方的に毟っていくスタイルだったことに気づいて呆れた。社会とか善とか大仰な話をする前に、半径5メートル以内の人間にまともな敬意を払ってほしい。話はそれができるようになってから聞きます、という気持ち。
最後に。当人の思索と第三者の文献の引用をきちんとわけて、順序立てて書いてくれたらまだなんとかなったかも。思想の周りにくっつけられた人間ドラマへの視線が浅くて貧しくて、読んでいられなかった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
英米 - 小説/物語
- 感想投稿日 : 2018年8月25日
- 読了日 : 2018年8月25日
- 本棚登録日 : 2018年8月25日
みんなの感想をみる