表題作と「鼠警察」はまずまず楽しめた。けれど、上の空というか深みにはまれていないというか、全体的に力が弱いように感じた。最後の「クトゥルフ神話」の同世代作家に対する挑発的な物言いにも「でもあなたにひとさまを挑発するだけの何かがあるんでしょうか」という気持ちになってしまい、どうも面白くなかった。残念。
ただわたしはボラーニョの良い読者ではなくて、現時点で『売女の人殺し』しか読んでいない。ボラーニョに対する感受性が高い人には興味深い最後の短編集なのかもしれないし、この作家に対して何か判断めいたことをするのは『野生の探偵たち』を読んでからにしたい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
スペイン - 小説/物語
- 感想投稿日 : 2016年10月31日
- 読了日 : 2016年10月30日
- 本棚登録日 : 2016年10月31日
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