哲学科を卒業して数十年後に、哲学はおもしろいなと思わせてくれる本を読んだ。なるほどと思うところもあり、自分はそういう整理はしないなと思うところもありで、多くの思想家の考えを素材にしながら、暇と退屈について自分事として考えられる面白い本。
ヒトは定住する前は遊動していたから、今まで発揮していた能力の使い先がなくて退屈してしまうんだとか、消費はモノではなくて概念を手に入れることだから決して満足できないとかは、あーそうかもね!と思った。その一方で、個人はそんなに簡単に環世界を行き来するだろうか、ひとつの環世界のなかでギアが変わるんじゃないだろうか? 「贅沢を取り戻そう」って、取り戻すもなにも贅沢なんて知らないよって人もいるんじゃないか、それは届く言葉なのか?と思ってみたり。
おもしろいなと思って読んでいたのだが、自分はふだんほぼ暇とも退屈とも感じていなくて、常にタスクをどうやって終わらせるかばかり考えているのだった。精神的に、わりと遊動生活時代の原始人かもしれない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
哲学
- 感想投稿日 : 2022年1月16日
- 読了日 : 2022年1月16日
- 本棚登録日 : 2022年1月16日
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