舞台になるカナダ奥地の湖水地方のように荒々しくて冷たい感触がする本だった。わかりづらいけれどこれはわかりづらくていい話。ヒロインが自分を取り戻そうとする過程が苛烈で恐ろしかった。再生とはこういうものか。
いやなことをされるの自体もいやだけれど、「いやなことをされた」と感じるのはもっと辛い。そこで変質してしまった自分の一部はどうしても手当てしなくてはならない。そうしなければどこにも行けないから。でもそれがどれだけ大変なことか。自分を作り変えるのに、どれだけのエネルギーと時間が必要なことか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
英米 - 小説/物語
- 感想投稿日 : 2015年7月23日
- 読了日 : 2015年7月23日
- 本棚登録日 : 2015年7月23日
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