- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006021092
作品紹介・あらすじ
秋の夜が落ちて、星が光りはじめたら、わたしは最後の言葉を言おう-二〇世紀黎明のロシアの漆黒の闇を、爆弾を抱えて彷徨するテロリストたちの張り詰めた心情と愛と孤独。社会革命党(エス・エル)戦闘団のテロ指導者サヴィンコフがロープシンの筆名で発表した終末の抒情に富んだ詩的小説は、9・11以後の世界の黙示録である。長編評論「サヴィンコフ=ロープシン論」を付す。
感想・レビュー・書評
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ペルッツ『どこに転がっていくの、林檎ちゃん』の訳者あとがきで紹介されていたもの。岩波が文庫で出してくれていて良かった。
主人公が、最初は自分の意思で行動していたものが、徐々に選択肢を狭められ、いつの間にか袋小路を彷徨っている辺りが共通点なのかな、と思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ニコニコのロシア特集の文学講座?っぽい動画でこの作家の話が出たので登録した気がする。
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愛、キリスト教、これらある種の万能な装置が揺さぶられ、死のみ確かなものとしてグイと突きつけられる。救われなさが徹底的で、安易な叙情に毒されていない、稀有な小説。
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アンドレイ・パニン主演「蒼ざめた馬」の原作。
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20世紀初頭におけるロシア・テロリストたちのお話
ある者は、支配者が奴隷を殺すように奴隷が支配者を殺してもよいのだと考える
神のもとの平等を信じる者は、
殺人者の罪が殺人者の命によってあがなわれるものだと
そう考える
主人公は、神を信じられない獣のような人間だ
にもかかわらず、たったひとつの愛を求めてさまよっている
重要なことは、この小説に登場するテロリストたちが皆
それなりの地位や収入を持つ中産階級以上に属しているということで
そこを忘れると、彼らの切実さの源泉がどこにあるのか
見誤るのではないかと思う -
32夜
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テロリストの実話。(作者がモデルらしい)