三津田信三氏の短編『おはしさま』をスタートとする、日本・台湾・香港の作家たちによる箸をめぐるリレー小説。
日本を舞台に箸を用いた儀式を描くホラー短編から始まり、台湾の道教信仰を題材とした青春ストーリーや、香港の若者たちが事件に巻き込まれるサスペンスに発展し、そこからそれらの話の後日談と前日譚に至り、それが『おはしさま』の儀式のそもそもの由来を探るファンタジーアドベンチャーにて結末を迎える筋書きがダイナミックであり、それぞれの作家たちの手腕の凄さを感じさせられた。ゾッとする展開にハラハラした一方で、もう一度通して読みたくなるようなどんでん返しを迎えるなど、とても楽しめた。
また表紙イラストもとても美麗で不穏な雰囲気を醸し出しているのがとても素敵だ。
国境を超えて作家たちをコラボレーションさせてくれた方々にも感謝したい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
現代文学
- 感想投稿日 : 2021年11月9日
- 読了日 : 2021年11月9日
- 本棚登録日 : 2021年11月9日
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