アメリカの鳥 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2)

  • 河出書房新社 (2009年8月11日発売)
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感想 : 13
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220909*読了
タイトルが秀逸。
少年期の母親への感情(執着)を抱く時期から、母と離れてフランスで暮らす時期へと。
この時期を描く文学って多いのだな、と世界文学全集を読みまくっていて思います。

ピーターが哲学を語る場面がたくさんあり、それをなるほど、とは理解できなかったのだけれど、そしてピーターの行動にも、おいおい…と思う部分が多かったのだけれど(笑)
第二次世界大戦が終わり、ベトナム戦争の最中。
自分が生まれる前(作者が亡くなったのは私が生まれた年)の出来事は、物語を読むことで当時の空気感、人々の思いを知ることになる。
日本から見たベトナム戦争と、アメリカ、フランスから見たベトナム戦争は違うと思うし、そういった視点の違いも海外文学を読む醍醐味と言えますね。

印象的な場面はいくつかあって、母親とアメリカの伝統的な料理を作るシーン、フランスに留学する列車でのアメリカ人女性教師3人組に捕まるシーン、フランスでの感謝祭の晩餐、ローマでの観光など。
3カ国にまたがる物語で、それぞれの国の特色も知れたのがまたよかったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年9月9日
読了日 : 2022年9月9日
本棚登録日 : 2022年9月9日

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