ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを (ハヤカワ文庫 SF 464)

  • 早川書房 (1982年2月1日発売)
3.75
  • (77)
  • (86)
  • (129)
  • (10)
  • (1)
本棚登録 : 793
感想 : 66
4

現代版の異邦人。
新自由主義社会において、人類愛を語ることは異端なのか。
カートボネガットのシニカルな問いかけがそこにはある。
異常という日常。
ボネガットの皮肉に満ちた文章の中で、
彼の純粋で無垢な人間愛が浮かび上がってくる作品。

「あんたがローズウォーター群でやったことは、断じて狂気ではない。あれはおそらく現代の最も重要な社会的実験であったかも知れんのです。なぜかというと、規模は小さいものだけれども、それが扱った問題の不気味な恐怖というものは、いまに機械の進歩によって全世界に広がってゆくだろうからです。その問題とは、つまりこういうことですよーいかにして役立たずの人間を愛するか?」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学
感想投稿日 : 2012年3月26日
読了日 : 2012年3月26日
本棚登録日 : 2012年1月6日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする