●ふと裏表紙をめくると、そこには「ブック×フ100円」の値札が。物の値段を知らないなあ。だからこそ買ったんですが。
●さてこの作品、ボルヘス=幻想作家だと思っていたら肩すかし。
場末の乱暴なマッチョな男どもの短編が多いです。(←違うか?)
まあ幻想チックなのもあるけど、むしろ人情の機微(・・・)に重点を置いた物が多いと言うか、そこはかとないおかしみを感じさせられました。
読みやすいと思ったのは、そのせいもあるかも。昔は逆にそう言うのが苦手だったんだけどなあ。
では、かんたん感想。
「じゃま者」いちばん映画にしやすい話。て言うか、阿呆な監督によって安直に一人の女を廻る兄弟の愛憎物語にされそうな危険が最も高い話。
いや結構好きなんですが。
「争い」上の次に映画にしやすい話。ヨーロッパ系の監督が撮りそうですな。
「マルコ福音書」・・・こわ! でも、ちゃんと聖書覚えてないから、いまいちオチの恐さが伝わってこないよ。とりあえず棚から新約を引っ張りだしてパラ読みしてみたが、やはり微妙に分からないのであった・・・単に理解力の不足?
●その他、「卑劣な男」「別の争い」「グアヤキル」なんかも好きです。
ここにタイトル挙げてない物も面白いよ。そして急に船戸与一が読みたくなったり。
ただ、中島敦の文庫本の解説で、“ボルヘスの短編のようにうんぬん”と書かれてあったのは、納得がいかんですな。
ボルヘスはボルヘス。中島敦は中島敦。
どっちも似てなくて面白い。
だがボルヘスでも幻想物を読むと中島敦を連想するのか? さてはて。
- 感想投稿日 : 2004年4月4日
- 本棚登録日 : 2004年4月4日
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