前線が迫る中、ユダヤ人の没収財産をハンガリー国外へ運び出しているというのに、ト書きのような文章だからかドキドキしたりせず、舞台でも見ているような感じだった。
誰もがよろしくないことをしている自覚がありながらも遂行していく。
戦争だからそういうものだと慣れてしまいそうになり、バログが妻と暮らした頃の回想が挟まれると、異様なことだと我に返った。
それでもいつの間にか何をやっているんだという気持ちが薄れて、この先を上手くやり過ごせるかどうかばかり気になっていた。気付かないうちに麻痺していて恐ろしいことだ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
時代小説・歴史もの
- 感想投稿日 : 2020年7月15日
- 読了日 : 2020年7月6日
- 本棚登録日 : 2020年7月15日
みんなの感想をみる