「朝井リョウって、実は女なんじゃ…?」と疑いたくなるくらい、女の醜いドロドロした部分がリアルに描写されていました。
3人の女性が主人公の中編連作。
それぞれの物語の仕掛けにあっと言わされ、感情のどす黒い部分を見せつけられ、ボディーブローのようなダメージが。でもページをめくるのをやめられず。
ただ見せつけてダメージを与えるだけではなく、それぞれの主人公が自分の醜い部分と向き合い、一歩踏み出す姿が描かれていて、どの人物も、最後には立ち上がろうとしていきます。
特に最後のお話が、何にでも物語が求められ、羨みからやっかみに変わっていく現代社会が描写されていて、ホント痛かった。
自分は間違いなく、つかさ側なのでめちゃくちゃ共感してしまい、ラストのつかさのセリフに泣かされました。
SNS・まとめサイトに依存気味な人、リーダーというより仕切り屋体質な人、「物語消費」大好きな人は是非ご一読を。…って、私だな(笑)
でも冷静に考えてみると、小説で「物語を無理にでっち上げなくてもいいんだよ」と書いてしまうって、とんでもないことだよなぁ…。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2014年3月18日
- 読了日 : 2014年3月18日
- 本棚登録日 : 2014年3月18日
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