ホラーと銘打たれているが、ほとんどの作品には一応合理的なオチがつく。発売当時ならともかく、今となっては目新しいネタは一つもないが、それでもしっかり嫌な気分を味わえるのは作者の筆力なのだろう。少し時代がかった一人称は90年代のオカルトブームを彷彿とさせてムード満点だ。現実から怪異へとシームレスに移行していくので、やり直しの起点が見つからないことも、不安と無力感を煽る。一番好きなのはやや変化球の「ゴールデン・ケージ」かな。◯◯◯妄想って実在するんだよね。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年2月29日
- 読了日 : 2020年2月29日
- 本棚登録日 : 2020年2月29日
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