古事記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫 91 ビギナーズ・クラシックス)
- KADOKAWA (2002年8月24日発売)
物語の中の「生と死」『古事記』オンデマンド聴講前基礎知識として
日本最古の書物 712年(和銅5年)成立 奈良時代
撰録者 太安万侶 元明天皇の命
舎人(天皇の秘書) 稗田阿礼の読み習っていたものを文字化
原文も少し掲載ありますが、まだ仮名文字がなく、やまと言葉を中国産の漢字でどうすれば正確に表現できるか苦心したようです。序文に 表記方針を掲載している。それでもわかりにくい場合は、注釈も加える。稗田阿礼の記憶力と太安万侶の編集力の賜物です。しかし、まだまだわからない事が多いそうです。
構成は、
上巻 天地の開闢 神話 神の話
中巻 神武天皇から応神天皇 初代天皇
下巻 仁徳天皇から推古天皇
上巻の神話は、生の起源となる神々の誕生、日本国土の誕生、初めての男女イザナキ・イザナミ、黄泉の国、八岐大蛇、因幡の白兎、海幸山幸と、多少聞き覚えのある神話が続きます。
下巻からの、いよいよ天皇の政治のほうが、馴染みがない感じでした。
古事記は、天地創造から始まる神話、神々の攻防、天皇家に繋がる経緯まで、ビギナーズで基礎知識いただきました。
以下は、個人的に気になったところ
日本国の誕生の序文で、初期の混沌から森羅万象発祥の様子があるのですが、原文では、“乾と坤とに初めて分かれて、陰と陽と斯に開けて”とあり、乾は天、坤は地の八卦の正象の表現です。漢字だけでなく、易経、陰陽説も影響を受けていたのかなと思います。
日本はラッキー8。八百万、大八島、八咫烏等々、八に溢れます。偶数を重視、八は最高の神聖数だったとのこと。あとは、末広の形状でしょうか。
でも偶数は陰陽で言えば、陰。八卦の八は八方や世界を表しているのですが、ここからきているってことは、ないのかな。
記紀には富士山が出てこない説。出てきません。
そして、知らなかったのですが、中巻でヤマトタケルが東征した時、叔母から預かった剣と火打石で戦うのですが、静岡県の草薙と焼津も該当地。富士山近いです。視界に入ってしまいます。それでも全く触れないのだから大和の国の決意を感じる。で、その近くに住んでたことあるのですが、
夏の富士山は、見えない日の方が多いんです。見えるとびっくりするくらいなんですよね。新説、夏場しかその辺りに行かなかった。は、どうでしょうか。
- 感想投稿日 : 2023年6月17日
- 読了日 : 2023年6月17日
- 本棚登録日 : 2023年6月17日
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