斜陽 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.76
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  • (2005)
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本棚登録 : 12997
感想 : 1308
3

敗戦後、華族制廃止により没落していく上流階級「斜陽族」流行語大賞を取れたであろう作品。

父親が没し、困窮の中援助を受けながら生活する元貴族の母娘。没落を悲しみ、最後の貴族として弱り病死する母。麻薬中毒から酒に溺れ放蕩の末、自死を選ぶ弟。弟が師事していた作家上原も酒に溺れ自堕落な生活を送っている。娘かず子は、上原に恋をし、全てが破滅した後も、彼の子供をひとり産む決意をする。弟は、上原の奥さんが好きだった。

当時、すごく売れて、太宰治は人気作家となったらしい。退廃的で明るい小説ではない。でも、どこまで破滅するのかゾクゾクする感じ。
かず子の、「自身が生きる道を切り開く革命」という底力。モデルは太宰治の愛人というから、投影されているんでしょう。


読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新潮文庫
感想投稿日 : 2022年3月11日
読了日 : 2022年3月11日
本棚登録日 : 2022年3月11日

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