あすなろ忌
1953年の作品。
明日は檜になろう“あすなろう。
若い頃何かしらの感銘を受けて、いつか再読しようと持ち続けた一冊。
親と離れて祖母と二人、小さな村の蔵で暮らしていた少年、鮎太の恋心と成長の物語。
この少年の設定から、だいぶ本人に近いように思う。
以下は、覚え書き
⚪︎深い深い雪の中で
「しろばんば」と同時期。
明日は檜になろうと一生懸命考えている木。
永久に檜にはなれない。
伊豆山の雪の中、あすなろの木の下で若い男女
の心中事件。女は、鮎太の祖母の姪。時折、
同居していた。男は、鮎太に勉強の必要を教え
た大学生。この章の印象が強い。
⚪︎寒月がかかれば
ここに出てくる少女が読んだ鮎太の歌
寒月ガカカレバ キミヲシヌブカナ
アシタカヤマノ フモトニ住マウ
歌のごとく 愛鷹山のふもとに井上靖文学館が
建てられている。存命中に建てられ、井上靖も
たびたび訪れたようだ。しばらく行ってないけ
れど、大きくはないが、林の中の素敵な建物。
⚪︎張ろう水の面
このあたりから青年。大学生となり、未亡人
へ憧れを抱いたり。それを避けて九州へ行った
り。
⚪︎春の狐火
大学生→兵隊→新聞記者
⚪︎勝敗
遊軍記者として活動
⚪︎星の植民地
戦後の混乱期
一人の男性の寂しい幼児期から真面目な少年期、反抗的な青年期、戦争、敗戦。その時代に気になる女性をそれぞれ登場させる。
実は記憶が、、違う^ ^。
路傍の石とか真実一路とかその辺と混じってしまっていたかも。そのうち、他のも読みます。
- 感想投稿日 : 2024年1月29日
- 読了日 : 2024年1月29日
- 本棚登録日 : 2024年1月29日
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