パワーさえ感じるカフカのネガティヴな人生論。あまりに絶望的で笑えて、こちらは元気がでてきそうな迷言な名言集。
著者の文学紹介者頭木さんが、言葉の真意が伝わる様に超訳され、それぞれをコミカルに解説。
カフカは、将来に、世の中に、健康に、父親に、学校に、仕事に、結婚にまで絶望して生きていた。全86項目の絶望を手紙や手帳から選りすぐる。
小説を書く事は好きだったと思うのだけど、途方に暮れて未完の物が多いらしい。死んだ後は、友人に遺稿を全て焼き捨てる様依頼したとのこと。友人が、それを苦労して出版してくれたから、現在カフカを読めるんです。ありがたい事です。
68 で、二人でいる方がもっと孤独という項があります。三木清の人生論ノートで、孤独は街にある。という孤独感があり、哲学的ねと思いました。
82 ついに本当の病気になるという、結核になった時の話ですが、病気を心配していた彼がいよいよ本当の病気になると、少し生き生きしてくるんですね。そして調子良くなったりします。
説明しがたい絶望感ですが、著者曰く、「絶望している時には、絶望の言葉が必要」弱っている時、元気な言葉や音楽はちょっと辛い。そんな時、一緒に堕ちてくれて、少し回復を早めてくれそうな一冊。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
新潮文庫
- 感想投稿日 : 2023年1月8日
- 読了日 : 2023年1月8日
- 本棚登録日 : 2023年1月8日
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コメント 2件
土瓶さんのコメント
2023/01/08
おびのりさんのコメント
2023/01/08