「時は1940年、フランス中部の農村。戦時下という極限状態の中で、普通なら決してありえない出会いがあった。パリを脱出してきた上流階級のスノッブな四人組の男女、彼らに宿を提供する羽目になった若い農夫とその母親、そして変わり者の青年。全く異なる階級同士の違和感と好奇心が巻き起こした人間喜劇の七重奏。しかしその果てには、思いもかけぬ残酷な結末が待ち受けていた……。」(裏表紙より)
ものすごく面白かったです。
個性も様々なフランス上流階級の男女四人が、ドイツ軍に占領されたパリから高級車で集団避難する途中、ドイツ軍の機銃掃射を受けて車は横転炎上、運転手も殺された。四人は通りかかった若い農夫の家に避難し、そこで素朴で逞しい農夫の母、姿は見えず何か叫び続ける寝たきりの老人、巨体の白痴の農夫とともに数日過ごすことになる。素朴な自然の中で、それまでとは全く違う農村での肉体労働や食事や生活をしているうちに、四人はそれまでの価値観や固定観念、見栄や上流気取りから徐々に開放されていく。四人のパリ人と四人の農民達がそれぞれの殻を出て影響し合う様子も、時々ちぐはぐになってしまう様子も、人間味があってすごくユーモラス。そして、最後の展開はあまりに劇的であっけなくて予想を超えていて驚きました!
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- 感想投稿日 : 2009年8月22日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2009年8月22日
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