川端康成は『雪国』だけを読み、美しいけどうーん…というのが私の印象であった。ガルシア=マルケスの『わが悲しき娼婦たちの思い出』がこちらを下敷きにしているというところからしった作品である。表題作とほか中編が2つ。あぁ、なんと美しく面白いのか!!裸のうら若き熟睡しきった生娘と添い寝する宿を描く表題作のなんと頽廃的で耽美なことか!乙女の「片腕」をつける「片腕」。殺人事件とその犯人の問答「散りぬるを」まで3編すべてが面白く、しかもそれぞれに趣が異なり飽きない構成である。川端文学円熟期の紛うことなき名作である。川端康成、これからすこしずつ読もう。巻末の解説はなんと三島由紀夫。解説も必読。2013/355
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年11月13日
- 読了日 : 2013年11月12日
- 本棚登録日 : 2013年11月14日
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