本編では描かれない、官吏たちの姿を描いた4つの物語が収められています。
景王即位の儀式で使用する的を作る陶工。
職務と感情の狭間で葛藤する裁判官。
希望を託した荷を背負い雪道を急ぐ地方役人。
地域にあった暦を作るため季節の移ろいを観測する男たち。
短編なのですが、どれも1冊の本を読み終えたかのような密度と広がりがあって、満足の溜め息がこぼれました。
国と民のあいだで苦悩しながらも、自身に課せられた役割を果たすためにもがく姿に涙が滲みました。
著者がどれだけ緻密に十二国の世界を創り上げているのか、本書でより鮮やかに感じることができました。
改めて、十二国記の凄さを実感し、静かに興奮しながら読了。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年4月29日
- 読了日 : 2022年2月21日
- 本棚登録日 : 2022年4月29日
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