時は、清朝、乾隆帝につかえたイエズス会士にして宮廷絵師カスティリオーネ。皇帝の恣意にふりまわされるも、求められた技術を着実に提供し、敬愛する皇三子を守ろうとするも果たせず、企みに満ちた世界にからめとられもがきつつ、最後にささやかな本当にささやかな象徴的な一糸を報いた、と。「歴史の記録とても、皇帝のおもちゃにすぎんよ」(カスティリオーネ)/日常にあらざる時間とな。日常の時間とても不断に流れ去る。一寸のさきになにが出来するやもしれぬ。劇的な一瞬が日常の時間のなかにおとずれぬともかぎるまい?」(乾隆帝)
読書状況:読み終わった
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本・雑誌
- 感想投稿日 : 2012年7月15日
- 読了日 : 2014年12月2日
- 本棚登録日 : 2012年7月15日
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